心構え

ニュートラルでいること

前に声優の若本規夫さんがラジオで言っていたのだけれど、今から演技をしようと思ってハイ、スタートで入るというのは、よくないらしい。 自分から役へと、すべてを急に切り替えるのではなく、そのまえから、ふだんの自分の中からだんだんその役を表に出して…

「漫画はおやつ」論について

手塚治虫先生が「漫画はおやつ」論を建前だとしていたという話。初耳なのでメモ。 PTAでマンガが悪影響と問題になった時テレビに出て 「漫画はおやつです」「子供は漫画が好きなのです」 「親も子供といっしょに漫画を見てほしいですね」 と批判をかわす為の…

短編作り7つのコツ

「漫画 短編 コツ」という検索で来る方がとても多いので……僕なんかがコツを披露すると言う無理を承知で*1、だいたい誰に対しても言えそうな範囲の事を書いてみます。「雑誌に投稿する、初めてストーリー漫画を描くような人」を想定しています。 1.作品の規模…

画面は踊る、されど興無く

技法メモと称しておきながらやたらと「心構え」が多いが、まあ良いことに……。いい演出が思いつかない時、とりあえずキャラが走ったり戦ったりする展開にするなど、表面的に動かしてみるという手があると思う。またあおりやアップ、流線や描き文字、いろいろ…

漫画のようなもの

今まで何作か短編を描いてみた。まだ、漫画を描けているという感じがしない。 (デジタルだが)紙の上に、なにかコマを割って、絵を入れて、漫画らしきものを描いているだけというかんじがする。 しかし、自分のような者が言うのもなんだが、それでいいのか…

ロールモデルと引き出し

たいした話ではないけれど……。こういう漫画が描きたいとか、こういう漫画家になりたいという「ロールモデル」を追うやり方は、創作の世界に関しては難しい道だろうと思う。その憧れの作者と自分は、個性がまるで違うからだ。多少感性が似ているとしても、ち…

適切なひねり

よくストーリー作り、脚本作りの基本に「ミスリード」と「起承転結」とを教えるものがある。こうかと思わせて実は違ったという「ミスリード」は語りにひねりを与え、前述のベタとひねりでも述べたように読者を楽しませる。「起承転結」は、その語りのダイナ…

読み手の天才

漫画の絵は、読者の解釈によって完成する。例えばキャラクターの顔の真ん中にあるチョコチョコとした線を見て「これは鼻のここからここまでを描いた線だな」といった理解の元で絵が成り立つので、漫画文化を知らない人が見ると、あだち充のキャラの顔の真ん…

ベタとひねり

「盛り上がったストーリーなのに、最後のページでちょっとコミカルなことをやってちんまり終わる漫画が嫌い」という人がいる。たしかにそういう漫画はあるし、僕はそういう漫画が嫌いじゃない。その話が出た時は、「単行本ベースで考えて、次の話を始めやす…

製作中の自我

僕は箱書き(プロット)を描くまで、せいぜいネームまでが一番楽しいというタイプの人間のようです。 単に絵が苦手ということもありますが、頭でっかちだからでしょう。 箱書きをを描くまでは、自我を大きくしていられます。無邪気に、自分の心の中を探検し…